イメージ/言葉/また

唐十郎の芝居「吸血姫」を観てきました。

 

● イメージと全然違う

実際に芝居が始まって,まず思ったのは「最初のイメージと全然違う!」ということでした。私は事前にもらった情報から,勝手に「暗い」「深い」「低いテンションのままずっと行く」と考えていたのです。しかし,それは全然違いました。もちろん暗くなるところもあるのですが,台詞が言葉遊びみたいで,それがとても笑えるのです。低いテンションの時もありますが,音楽の使い方が絶妙で,まったく飽きることなく終わってしまいました。終わった後の感想は「よくわからなかったが,面白かった」です。脚本家の方に伝えると,「最高の誉め言葉だ」と言ってくれました。

 

● 言葉は深い

台詞が多いというのは本当です。そしてそれが観る側にとっては頭を抱える事態になるということがわかりました。というのは,一つ一つのセリフは深く,後で考えたいという内容なのですが,次から次へとストーリーが展開していくため,その場で考えることはできず,後でまとめて考えようと思っても,考えたいと思ったセリフが多すぎてよく覚えていないのです。これは私の頭が悪いだけなのかもしれませんが,考えもしないことでした。ですから,「よくわからなかったが,面白」かったのです。

 

● また観たい

こうなったら,また観に行きたいと思います。いや,そう思わせられているのかもしれません。まんまと唐の術中にはまってしまったのかもしれません。今回は役者の方もとてもうまく,芝居に引き込まれました。そのぐらい夢中になった時間でした。

もっと多くの舞台を観たいと今は思っています。休みの日はなるべく仕事をしなくてもいいように余裕を作り,芝居を観る時間にあてようかなと思っています。とても楽しい時間に誘ってくれた脚本家の方に感謝したいです。

 

A learned man is an idler who kills time with study.

Bernard Shaw

 

 

唐十郎コレクション〈2〉銀ヤンマ・小説篇 (唐十郎コレクション 2 小説篇)

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