多様/共通理念/困難

さらにシュワブ氏から学ぶことがあります。

 

● 多様な概念

第4次産業革命では,AIが社会に根付いてくることになります。落合陽一は「デジタルネイチャー」と呼んでいますが,そうした時代がくることはほぼ確実でしょう。そのような時代に直面する課題についてシュワブ氏は語っています。1つは地政学です。一極から多極に移行する時代において,多様な概念をどうすり合わせていくかを問題としています。

 

● 共通理念という幻想

共通理念というものはありえるでしょうか。世界が一つになることを望んでいる人はきっと多いでしょう。私もそのうちの一人です。しかし,第4次産業革命の時代に,世界が多極化すれば,それぞれの概念がぶつかり合うことになります。ドイツでは移民を受け入れるようになってから犯罪が増えたという情報もあります。ヨーロッパ各地でイスラム国によるテロもありました。武力行使が許されるべきでないのは言うまでもありませんが,ここで言いたいのは,国連を作り,世界を1つにと叫んでいる地域が今狙われているということです。果たして共通理念というのはありえるのでしょうか。

 

● さらに困難に

これまでは異なる民族や宗教などの文化間での闘争でした。これからはAIがそこに入ってくることになります。まったく同じ立場で語れるかどうかは分かりません。しかし,もし仮にAIが我々人間と同じ立場になったとして(例えば2045年),もしかしたら人間はAIを敵とみなし,一致団結するかもしれません。共通の敵が現れたときに,人は一致団結することが多いからです。一方で,それは,私たちの望んでいたOne Worldなのでしょうか。もっともっと考える必要があると感じています。

 

In the middle of difficulty lies opportunity.

Einstein

 

 

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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