友人/本物/大人
ウィンブルドンが始まっています。今日は錦織選手の試合がありますね。ベスト8進出に向けて頑張ってほしいと思います。
● 友人付き合い
ゲーテ(山崎章甫訳)「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(上)」(pp.187-188)より,フィリーネのセリフです。
<「なに,たまたまのことです。お気に召さなければ,ほかの例でもいいのです。運命が誰かを偉大な画家にしようときめたとしましょう。そして偶然がその若者を,汚らしい小屋,うまや,あるいは納屋に住まわせる気になったとしましょう。そういう青年が,いつか将来,魂の純潔,高貴,自由を得ようとつとめると思いますか。若い時に汚いものを手にし,それを自分なりに醇化(じゅんか)しようとする気持が強ければ強いほど,その人はその後の人生において,いっそう手ひどくその汚いものに復讐されるのです。なぜなら,汚いものは,それをとり除こうとしている間に,手に負えないほどしつこくその人に染みこんでしまうからなのです。若い時を,悪い,下らない仲間と過ごした人は,のちにもっとましな仲間とつき合えるようになっても,つねにもとの仲間をなつかしむものです。その連中の印象は彼にとって,同時に,若い時の,二度と繰り返すことのできない喜びの思い出とともに残っているからです」>
● 本物に触れる
これは「本物に触れる」ことの大事さをわからせてくれるセリフだと思いました。特に若いうちから本物に触れることが大切です。人は環境によってつくられます。環境が習慣をつくります。若いうちに刹那的な楽しみを求めるあまり,良くない環境や習慣を作ってしまっては,それを歳を取ってから壊すのは難しいということだと理解しました。
● 大人の役割
私もまだ若手ではあるので,本物に触れる時間をなるべく多くとっていきたいと思います。仕事もそうですし,趣味,芸術など自分の興味のある分野においてはできるだけ一流のものに触れたいし,そういう人に会いたいと思います。また,大人の一人として,自分が一流に近づき,接する若者が良いところを吸収したいと思えるような人間にもなりたいと思いました。これは大人として社会を維持するために,より良くしていくために大切な責任でもあると思います。
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Sokrates
- 作者: J.W.ゲーテ,Johann Wolfgang Goethe,山崎章甫
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