雑学ノート/紳士/決まりごと

読書の時間を強制的に取るようにしてから,全体的に生活の質が上がったような気がします。乱読にしているのですが,日常でいろんな気づきをもらえるのはうれしいです。

 

● 旅の雑学ノート

玉村豊男「ロンドン 旅の雑学ノート」(新潮文庫)を読んでいます。著者のロンドンでの体験記を交えて様々な雑学が書かれています。こういった本を読むことがなかったために,新しい発見ばかりでとても面白いです。特に,イギリスの紳士とは何たるかという記述は面白かったです。

 

● イギリスの紳士

p.100から引用します。

<(1) 毎日異なったスーツに着替えるような人は紳士とはいえない。紳士はふつう,スーツを二着しか持たない。一着はたとえば葬式などに出るためのフォーマルなもの,もう一着は(紳士は必ず田舎の邸宅に住んでいるので)ロンドンに出かけて行くときなどのためのもの。いずれも名門のテーラーで仕立てたモノのよい品なので,何年もよくもち,何年も着てツルツルになって妻に注意されてはじめて着用をあきらめる。お古は出入りの植木屋にやるか,慈善バザーに提供する。>

 

● 決まりごとが多い

機会があれば他のものも紹介したいところですが,今日は1つ目だけ。これだけでも「紳士たる」には様々なハードルがあります。スーツを2着しか持たないというのは私にはとても考えられません。日本の夏などはどうするのかと思ってしまいます。汗だくになったスーツを毎日手入れするのは大変ですし,それこそ「有閑階級」にでもならない限り難しいと思います。これが庶民的な発想なのでしょうが…。

持っているものを手入れしながら長く使うというのは学びたいところです。そういえば,「カントリージェントルマン」と呼ばれた白洲次郎も郊外に住んでいました。「紳士は必ず田舎に住んでいる」ので,「カントリージェントルマン」という呼称は違和感がありますが,たしかにかっこいい人です。完全には無理でも,紳士に近づいていきたいものです。

 

To play billiards moderately well is the sign of a gentleman; to play it too well is the sign of a misspent life.

Mark Twain

 

 

ロンドン 旅の雑学ノート (新潮文庫)

ロンドン 旅の雑学ノート (新潮文庫)