心の穴/儲け/論語とそろばん

新年度が始まりました。3月は十分すぎるほど休んだので,始まると楽しいですね。いい感じで仕事モードになっています。

 

● 心の穴

人間関係が変わり,心に穴があいているようです。いろんな人と3月に話して,自分でも気づかないぐらい大きな穴があいていました。今考えれば,3月の行動はそれを埋めるかのように動いていたように思います。仕事が楽しみに感じるのも,穴を埋めたいからなのかもしれません。

人は一人で生きていけないとつくづく思います。でもそれが「人間」ですから,人の道は外さないように,気ままに生きて,人と楽しく会っていきたいと思います。

 

● 儲けは数字だけに非ず

今,ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代 上巻』を読んでいます。岩波文庫から出ているもので,本当にそうだなあと思った部分があるので引用します。

 

<ねえ,君。儲けというものは数字だけにあるんじゃあないとぼくは思う。幸福は活動する人間の女神なんだ。その恩寵を心から感じるためには,われわれは生き,真にいきいきと努力し,その喜びを体で味わっているひとびとを見なくてはいけない。>(pp.58-59)

 

この部分には私の経営観と通じるものがあります。

 

論語と算盤

渋沢栄一が『論語と算盤』で論じたように,経営にはこのバランスが重要だと思います。以前にもフェイクニュースの感想を書いたように,現代はこのバランスが明らかに悪いと感じます。数字はもちろん大事です。しかし,体は喜んでいるか,幸せを感じているか,この2つのバランスをもっと一人一人がちゃんと見なくてはいけないと思います。

これは私がそれをできる環境にあるからそう感じるのでしょう。そんな余裕はどこにもないという人もいるでしょうし,くだらないと一笑に付す人もいると思います。それはそれでいいのだとも思います。しかし,それらをつなぐバランスの良い人に私はなりたい。そして企業経営をする人にはそういう感覚をいつも持っていてほしいという願望があります。

 

It's all about the journey, not outcome.

Carl Lewis

 

 

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈上〉 (岩波文庫)

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代〈上〉 (岩波文庫)